骨盤と女性特有の機能

骨格図で骨盤を見ると、象の耳のようにも、羽を広げた蝶の姿のようにも見えます。

 

実際、耳や羽のように、仙骨を中央に、腸骨を左右にして、開いたり閉じたりするのが骨盤なのです。

 

基本的な骨盤の機能としては、交感神経の働きで、朝は閉じて1日の活動を助け、夜に向かうにつれ、副交感神経によって開いて、心身をリラックスさせます。

 

そして女性の場合、生理の周期によってもこの開閉が起こります。

 

この周期には2つの波があり、第一の波に向けて、骨盤はしだいに閉じて排卵を促し、排卵後は、第二の波、生理に向けて徐々に開いてゆきます。

 

この機能はまた、女性ホルモンの分泌を活発にし、しなやかな体形や、肌、髪の艶など、女性の魅力を保つもとになります。

 

反対に、正常に機能しないと、生理不順や重い生理痛の原因になるわけです。

 

さらにもう一つ、妊娠と出産においても、この骨盤は重要な役割を果たします。

 

妊娠中に分泌されるホルモン、“リラキシン”が作用して、骨盤の各関節の靭帯は次第に緩みます。

 

そして胎児の成長につれて広がり、大きくなる子宮をしっかり支えます。

 

そして、胎児が安全に産道を通過できるよう、出産時に最大に開くのです。

 

まさにこれが、命を育む女性に備わった、特別な機能といえるでしょう。