骨盤の歪みと日常生活

人間は直立することで、飛躍的な進化を遂げましたが、それと同時に骨盤は、常にその姿勢を保たねばならないという、重大な役割を担うことになりました。

 

4足歩行の動物たちが、肩、背中、腰と、分担して支えている体の圧力は、人間の場合、上と下から骨盤に集中することになったのです。

 

現代社会において私たちは、体を左右均等に使うことはほとんどありません。

 

日常生活での何気ないクセ、たとえば長時間前屈みでパソコンに向かったり。

 

あるいは左右どちらか片方に、いつも寄りかかるような姿勢や、足の組み方、バッグを持つ手がいつも同じとか、食事でもいつも同じ側の歯でばかり噛むなど、身体の一方だけに負担がかかり続けている場合が多いのです。

 

特に意識もせず、見過ごされがちなことですが、これらが毎日繰り返されることで、身体のバランスは崩れてゆきます。

 

また、サイズの合わない下着も、身体の動きを妨げることにつながり、靴による足の負担も、骨盤への負担に直結します。

 

しかし運動不足による筋力の低下は、そのアンバランスを支えきれず、結果、徐々に骨盤は歪んでいくことになるのです。

 

全生物の頂点に立ち、文明の目覚しい進歩と引き換えに背負った、現代人の宿命といえるかも知れません。